最大40万円のカラクリ

札束

紹介会社の仕組みについては、こちらに詳しく書きましたが、病院から手数料を得ることで成り立っています。
入職した看護師の年収の20%を請求することが多いです。
お祝い金は、病院が出すのではなく、紹介会社が利益を看護師に分配していると考えてください。
なので、お祝い金のある転職サイト経由でも、病院が余計な費用がかかるということはありません。

 

一部の転職サイトを見ていると、最大○○円のお祝い金プレゼント!などという文字が躍っています。
「お祝い金」「転職支援金」「HAPPYボーナス」などとサイトによって呼び方は違いますが、「うちで転職したら報奨金を差し上げますよ!」ということ。
中には、「入職決定で最大40万円プレゼント!」というサービス(ジョブデポ、ナースモ、リクジョブ)もあります。

 

※ちなみに、3つともサイトのデザインがそっくりなんですが、ジョブデポとリクジョブはどちらも「株式会社babys breath」です。ナースモの運営会社は「株式会社プライマス」となっていますが、厚生労働大臣許可番号が同じ。気になってナースモに記載されている電話番号にかけると株式会社babys breathに繋がりました。グループ会社だそうです。
株式会社babys breathが、有料職業紹介事業免許を取得したのは2010年。元は保育園の運営から始まった会社で、代表の方も保育士です。保育園を運営しながら、保育園の開業支援を行なっているようです。お祝い金は、必ず40万円もらえるというわけではなく、あくまでも「最大で」です。紹介料のおよそ半分ということなので、年収の10%程度を目安と考えればいいでしょう。

 

なぜお祝い金をくれるの?

紹介会社が自社の利益を削ってまでお祝い金を出しているのには理由があります。
大きく、2つあると考えられます。

 

登録看護師を増やすため

利用してくれる看護師がいなければ、病院へ斡旋できません。
当たり前ですが、登録者が多いほど儲かります。
「うちで転職するとお得ですよ!」というアピールですね。最大○○円!なんて言われると、どうせならもらえる方が…と思う看護師もいるでしょう。
ただ、日本看護協会の少人数へのインタビュー調査では、メリットとして挙げた人はいなかったそうです。言いにくかっただけかもしれませんが…

 

すぐに退職するのを防ぐため

病院は100万円ほどの手数料を紹介会社に支払っています。看護師がすぐに辞職してしまったら大損ですよね。そうならないように、返金規程があります。半年以内に退職した場合は、期間に応じて紹介会社から手数料を返還してもらうのです。(手数料を勤めた期間ごとに分割で請求する会社もあります)
紹介会社としては、なんとか半年以上勤めてもらいたいということです。
お祝い金は、入職してすぐにもらえるのでは無く、一ヶ月や半年など勤めて初めてもらえる仕組みのところが多いです。
「この病院は自分に合わなかったから辞めたいけど、どうせならお祝い金をもってから辞めよう。」と考えるナースがいるかもしれません。
また、短期間で退職した場合は、お祝い金を返さなくてはならない決まりのところもあります。

 

半年ごとに転職を繰り返せばボロ儲け?

看護師としては、お祝い金を貰える紹介会社で半年ごとに転職を繰り返せば、荒稼ぎできると思うかも知れません。
でも、短期間で病院を移ってばかりのナースを採用してくれる病院があるでしょうか。
看護師人生を棒に振りたくないなら止めた方が良いでしょう。
斡旋業者も、看護師を半年ごとに転職させれば理論上は儲かりますが、そんな業者は病院から閉め出されてしまいます。

 

 

他にナースが入職時にもらえる可能性があるお金には、病院独自の就職支度金や、雇用保険の再就職手当があります。
病院から貰える支度金は、紹介会社経由での入職の場合はもらえないというところもあるので注意です。