それでも人材紹介会社をオススメする理由

「紹介会社は使わないほうがいいよ。」そんなことを言われたことはありませんか?
看護師の中には、人材紹介会社のことを悪く思っている人がいるのも事実です。

 

そもそもなんで無料で使えるの?

登録すると、あなたに代わって病院やクリニックを探して面接の日程を組んだり、給料の交渉をしたりしてくれます。
それなのに、求職者である看護師は費用を請求されることはありません。完全無料です。
もちろん慈善事業ではありません。あなたが入職する医療施設から手数料を得ています。

 

紹介会社の説明図

 

ナースの年収の20%が手数料として紹介した人材会社へと支払われます。
(15%〜30%と幅がありますが、20%が一般的です。)
年収が400万円なら80万円、500万円なら100万円ものお金を紹介料として病院が負担しているのです。

 

紹介サービスでの応募って病院に嫌がられないの?

そんなにお金がかかるなら、医療施設としては手数料がかからないように、直接応募して欲しいのでは?
人材紹介を断って、ハローワークや直接応募だけで看護師を集めれば紹介料はかかりませんよね。
ところが実際は、病院の多くは紹介会社を利用しているのです。全日本病院協会のアンケート調査では、紹介会社を介した雇用実績があると答えた施設は73.3%(2010年4月〜2013年6月)です。(「人材紹介会社の活用の実態」シンポジウムの記事
平成22年度の平均だと、病院は767万円もの手数料を支払って人材を採用しています。
ほとんどの病院が採用の手段として取り入れていることがわかります。特に多くの人材を採用したい施設では、積極的に紹介会社と付き合っています。

 

 

なぜ病院は大金を払ってまで紹介会社を利用するの?

理由

日本病院会が2011年に病院に対して行なったアンケートがあります。

この「病院の人材確保・養成に関するアンケート調査結果報告(PDF)」にある、「斡旋業者を通じての採用で良かったこと」の回答を一部挙げます。

 

必要な人員の確保ができた」「病院側のニーズに対応した紹介」「成功報酬なので無駄が無い」などがあります。

 

ハローワークや直接応募などでは、施設が望まない人材も応募してくるため効率が落ちてしまうんです。また、広告は高額な費用もかかる上に、応募が来る保証はありません。
それならお互いにミスマッチを防いで紹介業者を利用して確実に採用したほうが良いということなんです。

 

中には問題のある業者もあります

上記アンケート中の「信頼のおける好印象の斡旋業者はありましたか」という質問に、51%の病院が「ある」と答えています。逆に、「悪印象の斡旋業者はありましたか」の質問にあると答えたのは34%です。
誠実な業者の方が多いのですが、残念ながら業者の利益ばかりを優先する態度だったり、対応が不誠実だったりする業者があるのも事実です。
トラブルのあった業者は、出入りを禁止されることも。

 

担当のコンサルタントにもハズレがいます

ハズレ

人材紹介会社に登録すると、あなたに担当が付きます。会社によって、コンサルタントやエージェントなどと呼ぶのですが、どんな人が担当につくかは、運次第です。

 

病院にもいろいろなナースがいますよね。同じように、1つの紹介会社の中にもいろいろな社員がいます
たとえ評判の良い会社でも、コンサルタントに当たり外れがありますし、いい人でもあなたと相性が悪いこともあるでしょう。

 

「あそこの会社は最悪だった」と先輩ナースが言っていたとしたら、それはその先輩の担当が「外れ」だったのかもしれません。
残念ながらハズレを引いてしまったら、担当を変えてもらいましょう。担当のせいで不採用になる可能性もあります。

 

 

看護師が利用するメリットは?

メリット

求人を探してくれる、面接の日程を調整してくれる、医療施設の情報を教えてくれるなどが一般的なメリットですよね。

 

働きながら次の転職先を探す人にとっては、ありがたいサービスです。履歴書の書き方や、面接のコツなども教えてくれるので、転職が初めての人には心強いですね。

 

平成25年度「看護職の職業紹介等の実態に関する報告書」(日本看護協会)の中の看護師へのインタビュー調査でも、「迅速・丁寧な対応」「施設に関する情報の提供」「施設側との条件交渉の代行」「履歴書・職務経歴書の作成支援と面接支援」などがメリットとして挙げられています。

 

 

そういった作業面でのサポートはもちろんですが、一番のメリットは「病院と対等になれる」ということです。
採用してもらいたいからと、病院に対して自分を下に見ていませんか?

 

前の職場では、年収はこのくらいだったのでそれ以上をお願いします。」これ、面接で言えますか?
本来、病院と看護師とは対等な立場なはずです。それなのに、自分の要求を言えない人が多いのです。
考えてみてください、あなたよりもキャリアが浅いけれど交渉の上手い看護師がいます。その人は、あなたよりも多くの給料をもらっているのです。

 

紹介会社の利益は、契約したナースの年収の20%でしたよね。ということは、あなたの年収が高くなれば、紹介会社の利益も増えます。だから、あなたに変わって年収や待遇の交渉をしてくれるんです。
交渉の余地があるのかどうかも把握しているため、医療施設に足元を見られることもありません。
給与交渉のできる民間病院なら、先輩達よりも高い基本給をもらえる可能性があります。

 

年収アップしたい人は登録しよう

給料アップ

できるだけ高い給料が欲しいなら、代わりに給与交渉してもらいましょう。

臨床経験が3年以上など、現場が欲しがるキャリアだと有利です。
逆に経験が浅くても、第二新卒を積極的に採用していたり、新卒と同じようにプリセプターを付けてくれる施設を探したりしてもらえます。
また、医療施設以外の企業の求人は自分では探しにくいので、登録して探してもらいましょう。非公開の求人もあります。

 

登録しなくてもいい看護師は?

すでに就職したい病院の情報に詳しくて、交渉にも慣れているなら登録する必要はないかもしれません。
友人の働く病院へ転職したい場合は、友人に紹介してもらえばいいでしょう。
知り合いから内部事情を聞けないなら、情報収集のために登録するのはアリです。
ただ、採用にお金をかけられない小さなクリニックなどは、業者との付き合いがない場合があります。
自分でも情報収集しましょう。

 

紹介会社の上手な利用方法

3つ

1つの会社を利用するのでは無く、評判のいい所を3つほど選んで登録した方がいいです。

いくら評判が良くても、ハズレの担当に当たる可能性があるからです。

 

もしも高圧的な態度など、明らかに上から目線のコンサルタントに当たったら、遠慮せずに担当を変更してもらいましょう。

 

紹介会社と看護師とは対等です。気持ちよく話せない人に、これからの看護師人生を相談できるはずもありません。
また、優しく話を聞いてくれればOKというわけでもありません。こちらの要望を無視して、1つの病院をごり押ししてくるようなコンサルタントもいます。

 

「あなただと、残念ながらこちらの病院くらいしか紹介できません…」と言われたとして、それが本当なのか、1つの会社にしか登録していなければ判断ができません。
もし、嫌な担当の変更を申し出るのが難しければ、サクッと退会しましょう。複数の会社に登録しておけば何の問題もありません。
納得のいく転職をするには、こちらの要望をハッキリと伝えることが大切です。

 

こんな担当はNG
  • 上から目線で言葉遣いも悪い
  • 希望と合わない病院ばかりを紹介してくる
  • 強引に面接の日程を組もうとしてくる

次の条件を満たす人材紹介会社なら登録して大丈夫です

 

ある程度大きくて社歴の長い会社

会社自体が儲かっているということは、求人を出す施設側からの需要があるということです。
また、病院との付き合いが長いほど信頼関係も深くなっています。

自分の勤務地に拠点のある会社

中には、東京にしか拠点が無いのに全国の病院への転職を斡旋している会社もあります。電話やメールのみで病院へ営業をかけているのです。
各地に拠点があれば、施設と顔を合わせたお付き合いができます。

簡単に退会できる会社

もう連絡しないで欲しいと言ったのに、忘れたことにまた電話が…
こんなウザいことにならないように、簡単に登録解除できる会社を選びましょう。
登録解除フォームを用意している会社ならすんなりと退会できます。
また、プライバシーマークを取得している会社なら、個人情報も迅速に削除してもらえて安心です。

 

 

条件を満たした会社をこちらにまとめたのでご覧ください。

どこの会社でもいいわけではありません。

 

急いで転職したい人でなくても、まずは情報収集しましょう。
その場合は、登録したら「転職は未定である」と担当コンサルタントに伝えればOKです。