そもそもナースセンターって何なの?
都道府県の看護協会が運営するのがナースセンターです。(東京都の場合は名称がナースプラザとなっています)
無料職業紹介事業(ナースバンク事業)を行なっています。
民間の斡旋会社と違うのは、求人を出す施設が無料で利用できるという点です。看護師専用のハローワークと言えば分かりやすいでしょう。
ハローワークとの大きな違いは、相談員が看護職経験者なことです。
そのため、専門的な相談にも乗ってもらえる、看護師の気持ちを分かってもらえるというメリットがあります。
ナースセンターの求人は、100床未満の病院と診療所の割合が多く、16.7%となっています。対して、501床以上の大規模病院の多くは、民間の人材会社を利用しています。
大きな病院は、手数料を払ってでも確実に採用することを優先しているからです。
手数料のかからないナースセンターは、予算の少ない中小規模の病院からの期待が大きいことがわかります。
※看護協会の「ナースバンク事業」と、民間の転職サイト「ナース人材バンク」とを混同している方もいますが、これらは別物です。似たサイトやサービス名が多いんですよね。(^^ゞ
e-ナースセンターとは
こちらはインターネット上で詳細な求人情報が検索できます。登録には免許番号が必要です。
求職票(保有資格や自己PRなど、履歴書のようなものです)を登録して利用します。
検索して良い求人を見つけたら、紹介依頼→紹介状の発行→面接となります。
自宅でも求人が探せて便利なのですが、インターネット上で紹介依頼した場合、紹介状が発行されるのが1週間後などになってしまいます。
急ぐ人は、最寄りの営業所へ足を運んで紹介を頼んだ方がいいでしょう。施設への連絡が付けば、その場で紹介状を発行してもらえます。
利用者からの評価はイマイチ?
せっかくの検索システムも、使いにくかったという口コミが多くなっています。
ナースセンター、ハローワーク、有料職業紹介事業者(民間の紹介会社)との評価を比較した調査結果があります。
残念ながら、10項目のうちナースセンターがトップ評価だった項目はありませんでした。
求人数が多いと評価されたのはハローワーク。その他は、民間会社がすべてトップでした。
特に民間の紹介会社の評価が高いのが、「希望に合う施設が紹介される」「確実に紹介される」「休日に相談可能である」などです。
ナースセンターの営業時間は、平日の9時〜17時で土日はやっていないところがほとんど。公的な施設なので仕方が無いのかも知れませんが、良くも悪くもお役所仕事。15時や16時ごろまでには行かないと話が進まないでしょう。日勤看護師でももうすこし行きやすいといいのですが。
利用者の拡大、知名度アップは、看護協会でも課題になっています。
紹介会社との違い
民間の紹介会社
施設から紹介手数料を得ることで運営されています。
良くも悪くも、好条件の施設へあなたを転職させることを明確な目的としています。あなたが気に入りそうな病院を積極的に提案してくれますし、給料が上がるように交渉もしれくれます。
あなたの年収の20%と同額を、病院から手数料として得ることができるからです。
ナースセンター
税金で運営されているため、ハッキリ言ってしまうと、あなたの転職が成功しても失敗しても収支に影響がないんです。
せっかく相談しい行ったのに、「自分で探してから来てください」なんて言われることも。
「あなたみたいな人には、紹介できない」と、相談を拒否され、しかたなく他県のナースセンターへ行ったという人までいます。
ナースセンターを利用してフルタイム勤務として就業した看護職1,654人が回答したアンケートがあります。「希望給与額との差」において、「希望していた給与額より低い」と回答したのは49.2%と半数を占める結果となっています。
給与交渉をしてくれる民間の会社を利用するよりも、年収が下がってしまうかもしれません。
ブランクのあるナースは「再就業支援研修」
正直、ナースセンターは働きながら利用するには向いていません。
ただ、ブランクのある潜在看護師の方にはおすすめの事業を看護協会は行なっています。
それが「再就業支援研修」です。最新の看護知識や、採血をはじめとした技術演習などの研修を、各都道府県内の医療施設で行なっています。
育児や介護などで看護から長い間離れている潜在看護師や、資格はあるけど臨床経験の無いナースが職場復帰するのに役立ちます。
研修はe-ナースセンターでも検索できますが、登録数が少ないので各都道府県の看護協会のサイトをこまめにチェックしてください。